今週のイチオシ!

2008年6月16日 (月)

「ハマチ」

ハマチ

「ハマチ」は「ブリ」の子供で、体長30~40cmのものを「そう」呼びます。 地方によって呼び名は違いますが、福井では『フクラギ』と呼ぶのが最も一般的ではないでしょうか。

「ハマチ」は回遊性の魚で、春~夏にかけて日本近海を北上するため、福井の定置網では、多く捕れる魚のひとつです。

「ハマチ」は、刺身で食べるのがベストで、ブリより脂が薄く、サッパリしているのが特徴です。 よって、ワサビ醤油だけでなく、ショウガ醤油をつけて食したり、ドレッシングをかけてカルパッチョ風にするなど、「つけダレ」を工夫してみてはいかがでしょうか。
(鮮魚部・刺身物チーム 山田)

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2008年6月13日 (金)

「サワラ・サゴシ」

サワラ・サゴシ

歯が鋭く、肌の色は銀白色、スマ-トな体型に斑点模様。 外見はあまり見慣れない魚ですが、「サワラ」は、西京焼きで有名な、多くの人に知られる魚です。

「サワラ」は、大きくなるにつれて呼び方が変わる「出世魚」で、一般に1.5kg以上のものを「サワラ」、1kg以下(40~50cm程)のものを「サゴシ(東京ではサゴチ)」と呼びます。 地方によってはいろんな呼び方をしますが、石川県方面では、「カジキ」のことを「サワラ」と言うから、面白いですね。 

「サワラ」は、以前は水温の高い瀬戸内海や九州で多くとれたそうですが、近年では三陸や北陸でも、鮮度の良いものが多くとれるようになりました。

「サワラ」は、その体型からか、「狭腹」とも書きます(「サゴシ」は「狭腰」)。 産卵期の春頃から多くとれだすので、春を告げる魚として魚に春で「鰆」と名付けられたようです。 春だけでなく、秋から冬にかけても脂がのり、食べるには良い時期になります。

味噌漬け、照り焼き、塩焼き、タタキ、フライ、酢漬けにして押し寿司にする等、「サワラ」の食べ方はいろいろあります。 鮮度の良いものは刺身が最高に美味しいので、絶対お勧めの逸品です。
(鮮魚部・刺身物チーム・佐々木)

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2008年6月 2日 (月)

「まあじ(真鯵)」

まあじ(真鯵)

   
大衆魚の王者と言われている「まあじ」は、5月~7月が「旬」で、日本全国に分布しています。 刺身、たたき、酢の物、塩焼き、唐揚げ、南蛮着け、干物等、色々な料理に使われます。

「まあじ」は、大きさによって7センチまでを「豆あじ」、10センチまでを「小あじ」、20センチ位までを「中あじ」と呼んで区別しています。 独特の「ぜいご」は、鱗(うろこ)の変化したものです。

漁法はまき網が中心で、全国で、年間約30万トンの漁獲があり、島根県と長崎県で全体の50%近くを占めています。 用途は、生鮮が30%、干物が30%、残りの40%が養殖魚の餌となっています。

「まあじ」には、「地付き」と「回遊性」の2種類があります。 「地付き」の「まあじ」は、餌の豊富な沿岸の岩場などに住み着いて回遊しないもので、背が青っぽく、腹は金色に輝いています。 全国的には「関あじ」が有名ですが、「ごんあじ」や「平家あじ」など、ほとんど全国にいます。 「回遊性」の「まあじ」は、背が黒っぽく、腹は白銀色です。

料理方法としては、特に「味噌たたき」をお薦めします。 「今月のおうちごはん」のレシピも参考にして、今が「旬」の「まあじ」を美味しく食べてください。
(鮮魚部・近海物チーム・西川)

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2008年5月28日 (水)

「近海の本マグロ」

近海の本マグロ

日本近海で獲れる「本マグロ」は、同じ「本マグロ」でも、地中海(スペイン)やボストン沖(アメリカ)で獲れる大西洋の「本マグロ」通称「ジャンボ」とは、骨格や身の着き方が異なります。 また、大西洋の「本マグロ」は、腹上に赤身が多く、脂が強いのに対して、日本近海の「本マグロ」は、脂がすっきりしていて食べやすいのが特徴です。

回遊魚である「本マグロ」は、日本近海では台湾周辺で産卵し、暖流(日本海流・対馬海流)とともに、餌となる「いか」や「いわし」や「さんま」を追って、日本列島を沿うように北上し、青森・大間などでは、夏~冬にかけて漁獲されます。 4~6月にかけて、この北上途中の「本マグロ」が、福井近海の定置網で漁獲されます。 今年は、50~60キロサイズが中心で、昨年よりも多く見られています。

最大の特徴は、なんと言っても「鮮度の良さ」です。 まだ、身が「活きている」うちに販売されるために、特に赤身の「サク」は、縮れて変形することがあります。 新鮮なうちは、「本マグロ」の「赤身」独特の香りと酸味が味わえますし、時間が経過して熟成が進むと「甘味」が出てきます。 近海の「本マグロ」は、この「2つの味」を楽しんでいただける逸品です。
(鮮魚部・刺身物チーム・桑原)

2008年5月19日 (月)

「するめいか」

するめいか

「するめいか」は、いか類中、日本人に最もなじみの深い種類で、福井では5月~6月にかけて、「集魚灯」のたくさんついた「いか釣り船」により、小振りの「するめいか」が水揚げされます。
 福井市場には、前浜で夜中に釣ってまだ「生きている」鮮度抜群の「するめいか」が入荷します。 入荷スタイルは主に「5kg入の箱」で、「30尾入り」から「バラ」と呼ばれる「50~60尾位バラバラに入ったもの」が主流です。
 この時期は、1年中で最も鮮度の良い「するめいか」が量販店に陳列される時期であり、身が柔らかく最高に美味しい時期です。 刺身・煮物・焼き物などいろいろな料理方法で食べられます。 鮮度の良いものを、「沖漬け」風にしてみるのもいいと思います。 酒・みりん・醤油を一煮立ちさせ、冷ましてからスルメをそのまま漬け込んでください。
 また、「わた(肝臓)」を捨ててしまう人も多いのですが、塩をして、冷蔵庫に入れて一日寝かせ、アルミホイルの上に並べてオーブン・トースターで焼くと、晩酌の一品になります。 ぜひ一度試してみてはいかがでしょう! お酒が進むこと、請け合いです。
(鮮魚部・刺身物チーム・山口)

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2008年5月13日 (火)

「すずき」

すずき

これから夏に向かって是非食べていただきたいのが「すずき」です。 福井では、主に定置網漁で漁獲されます。
「すずき」は、「ぶり」と同じように、成長とともに呼び名の変わる出世魚です。一般的に小さいほうから、「せいご」、「ふっこ」、「すずき」と呼びます。
身は上質の白身で、刺身はもちろん、焼き物、蒸し物、椀種など、どんな料理で食べても美味しい魚です。 また、和食だけでなく、ポワレ、ムニエルなど、洋風に調理しても美味しい魚で、年間を通じて、洋食屋さんでよく使われる魚です。
釣りの対象としても人気のある魚で、海はもとより、淡水の混じった河口付近や、更に上流まで河川を遡上することもあります。 
「すずきは臭くて、とても食べられない」と言う人もいますが、先日、福井の三国沖水深60mの海から釣り上げた1mのスズキは、刺身も、薄造りも、頭の塩焼きも、絶品でした!
(開発部・村中)

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2008年4月28日 (月)

「チダイ」

チダイ

「鯛」といえば、皆さんのイメージは、「マダイ」だと思います。春が旬です。
ところが、「鯛」は「タイ」でも、これから秋口にかけて旬を迎える「鯛」に「チダイ」があります。 福井県では、定置網漁、延縄漁、釣りで漁獲されますが、「マダイ」や「キダイ(レンコダイ)」と良く似ており、区別しにくい魚です。
「チダイ」が「マダイ」と違う点は、「全体に色が明るい」、「鰓ぶたのふちが赤い」、「尾ビレの後縁の端が赤い(一様に同じ色)」ことです。 尾ビレの後縁の端が明瞭に黒くなっていたらそれは「マダイ」です。
また、かなり大きくなる「マダイ」と異なり、「チダイ」は、最大でも40cm程にしかなりません。 関東では、その明るい体色のため「ハナダイ(花鯛)」とも呼ばれ、華やかな感じがします。 しかし、オスの成魚の頭部背縁(おでこ)は角ばっているので、「デコダイ」とも呼ばれ、メスとは随分印象が違ってきます。
お薦めの食べ方は、塩焼き・汁物・刺身などで、「マダイ」より身が柔らかいのが特徴です。その他にも高知県(土佐)では「チダイそうめん」という料理があります。 これからの季節にピッタリでは・・・
(鮮魚部・刺身物チーム・山下)

2008年4月25日 (金)

「ふぐ(河豚)いろいろ」

とらふぐ、シロサバフグ、ゴマフグ
マフグ、ふぐいろいろ

「ふぐ」と言えば、高級魚「とらふぐ」。 福井県では若狭地方の『養殖』が有名になってきましたが、実は『天然』の「とらふぐ」が獲れているのはご存知でしたか? まさに今、4月に県内全域の定置網で獲れているのです。 鍋シーズンの冬場より安値の取り引きですが・・・ 今回は、これ以外に入荷する「安値」の「ふぐ」について紹介します。
まずは、釣りをする人なら「外道」でお馴染みの「クサフグ」(イソフグ)。 「釣り上がる数は、釣り師の腕に反比例する」と言われ嫌われていますが、筋肉を食べるなら美味。 筋肉以外は有毒。 食べ方は、刺身・鍋・味噌汁・唐揚げ。
見た目は「クサフグ」によく似ていて、東京湾・千葉県外房では、逆に、釣りの対象としているのが「ショウサイフグ」。 筋肉・精巣以外は有毒ですが、個人の責任で食べるのなら身だけが無難。 食べ方は、鍋・味噌汁・刺身・唐揚げ・焼き物・一夜干し。 味付けした天ぷら(長崎風)がお薦め!
定置網で獲れる「シロサバフグ」(ギンフグ)。 このフグだけが無毒。 よくスーパーで見かける製品はこれが多いと思います。 食べ方は、刺身・鍋・味噌汁・唐揚げ・一夜干し。 また、身がやや水っぽいのでムニエルにすると余計な水分がとんで旨味が増し、上品な一皿になります。 お薦め!
福井県の定置網で最も多く獲れる「ゴマフグ」(サバフグ)。 筋肉・精巣以外は有毒。 食べ方は、鍋・味噌汁・唐揚げ・刺身。 このフグは、石川県の郷土料理「卵巣の糠漬け」用として、金沢市中央市場を通じて加工業者に販売されています。 卵巣は1年間塩漬けし、更に2年以上のあいだ糠に漬けることで毒素を消失させる製法です。 このような加工法で食品として製造しているのは、日本全国で、「フグ加工に関する資格免許」を持つ石川県の加工業者だけです。 また、出来上がった糠漬けは、「石川県予防医学協会」による毒性検査を受け、毒素が消失したことを確認した後に出荷されます。
底曳き網で獲れるのが「マフグ」(ナメラフグ)。 筋肉・精巣以外は有毒。 食べ方は、鍋・味噌汁・刺身・唐揚げ・干し物。 石川県の底曳き網で多く捕れ、主に、大阪・山口県下関に出荷されます。
春の彼岸頃によく獲れるところから名前がついたのが「ヒガンフグ」(アカメフグ)。 眼が赤いのが特徴。 筋肉以外は有毒。 水産業界などで密かに最も美味しいとされています。 その身は硬くしまっていて刺身は最高! 他に鍋・味噌汁・唐揚げ・干し物。
他に、フグはまだまだありますが、このくらいで・・・

「ふぐ」に関する注意事項
 ・ ふぐの素人料理はやめよう!
  正しく調理しないと食中毒を起こし、時には死にいたることもあります。
 ・ ふぐ中毒防止のために
  「ふぐ処理登録者」以外の方は、未処理のフグを購入することはできません。
  加工品を調理する場合は、加工者等が判別できないものは使用しないで下さい。
  万一、中毒症状があらわれたときは、すぐに医療機関の受診をうけましょう。

「ふぐ毒」について
ふぐ毒は「テトロドドキシン」といい、肝臓・卵巣等の内臓、皮、筋肉等に含まれ、通常の加熱では壊れません。 純粋なフグ毒の人に対する致死量は0.5~1.0mg程度とみられ 、「青酸カリ」の約1,000倍の強さがあります。
ふぐの毒性は、フグの種類や部位(臓器等)、漁獲海域により大きく異なるほか、

  1. 季節によって、毒力が著しく変化し、無毒の物が有毒になったりします。 
  2. 個体差があり、同じ種類・同時期・同海域で捕れたフグでも、毒の強さには、大きな差が有ります。

最後に、フグの素人による調理は大変危険ですから、絶対にやめましょう!!

(鮮魚部・近海物チーム・西)

2008年4月14日 (月)

「メジ」

メジ

「メジ」とは、一般的に「本マグロ」の幼魚のことをさします。「キハダマグロ」と区別するために、「本メジ」「黄メジ」と分けて使うこともあります。
「うすい横縞模様」や「かすり模様」が入っているため、関西では「ヨコワ」、伊豆諸島では「カスリ」と呼ばれています。
福井では、4~5月に、それほど多くはありませんが、定置網で漁獲されます。
食べ方としては、やっぱり刺身が最高です。成魚の「本マグロ」のような脂はありませんが、さっぱりとしていて、かすかな酸味が絶妙です。
この時期、江戸っ子は「初ガツオ」を食べることにヤッキになりますが、福井でも地元のメジを競って食する文化ができるといいですね。
(鮮魚部・刺身物チーム・山口&山田)

2008年4月 7日 (月)

「さより」

さより

「さより」の解禁日は、全国各地でさまざまですが、福井では、4月1日に解禁となりました。 福井で「さより」が漁獲されるのは、1年中で春のこの時期しかなく、「さより」を見ると『春だなぁー』という感じになります。
「さより」は、地方によっていろいろな呼び方がありますが、福井では、大型(100gUP)の「さより」は「閂(カンヌキ)」、小型(40g程)の「さより」は「エンピツ」と呼ばれています。 
「さより」の身は、透き通るように美しく、上品で淡白です。 「大型」のものは、刺身や寿司ネタ、昆布〆、塩焼き、酢の物、すまし汁、「小型」のものは干物などにされます。 その他、天ぷらで食べても美味しい魚です。 鮮度落ちが早く、腹から傷んで来るので、腹に黄色いスジが出てくる前に食べてください。
(鮮魚部・近海物チーム・千本)