"秋刀魚"と書いて「さんま」と読ませるように、「さんま」は「秋」の代名詞のような魚です。 13℃以下の冷たい水を好む魚で、寒流に乗って南下します。 7月半ば頃から北海道道東沖、9月半ば頃から三陸沖、10月頃から房総沖で漁獲されます。
漁獲された「さんま」は、「生」や「冷凍」の状態で流通したり、缶詰などの加工品になります。 近年、冷凍技術が飛躍的に進歩したため、冷凍の「さんま」でも「生」のものと区別がつかないくらいフレッシュな美味しさです。 旬の美味しさをそのまま封じ込め、一年を通して旬の味わいが楽しめるようになりました。
「さんま」には、血液の流れを良くするEPAが多く含まれており、脳梗塞・心筋梗塞などの病気を予防する効果があります。 また、DHAも豊富に含まれており、体内のコレステロールを減らす作用、脳細胞を活発化させ、頭の回転を良くする効果もあるとされています。
「さんま」のたんぱく質は、食肉と同様、質・量ともに一級品で、脂肪の中身も申し分ありません。 赤みの血合い肉には鉄分やタウリンが多く、ビタミンB2、A、Dも豊富です。 カルシウムは食肉類より何倍も多く含まれており(牛肉の7~25倍、豚肉の10~19倍、鶏肉の3~25倍)、骨まで食べればさらに多くなります。
『秋の味覚』の代表と言えば≪さんまの塩焼き≫。 「さんま」は餌を食べてから排出する時間が30分程度と短く、内臓にえぐみがないため、塩焼きの"はらわた"を好んで食べる人が多いのです。 "さんま通"が喜ぶ腸わたには、鉄分・ビタミンB12が含まれています。 まさに「さんま・イズ・ヘルシー」です。
暑い日が続いていますが、ネギを加えた"からし酢みそあえ"や"酢ジメ"にすることによって、「さんま」をさっぱりと、美味しく食べられます。
鮮度の良い、生の美味しい「さんま」を見極めるポイントは、
*全体にずんぐりとして肉づきが良く、身に張りがあること。
*目が澄んでいること。
の2点。 美味しい「さんま」を選んで、いろんな「さんま料理」を楽しんで、秋を満喫しましょう!!
子供に多い「魚嫌い」「野菜嫌い」などの偏食は、離乳期から幼児期の食生活で決定づけられると考えられています。 離乳後期(生後10ヶ月前後)になれば、赤ちゃんは「さんま」も食べられます。 「さんま」の身は食肉よりも柔らかいので、安心して食べさせることができます。 また、「さんま」のミンチで作ったハンバーグは子供たちになかなか好評のようです。 骨まで揚げたものやつくだ煮は、カルシウムもしっかりととれます。 赤ちゃんのうちから魚の美味しさに出会っていれば、魚嫌いにはならないでしょう。
最後に、タレントとして有名な「明石家さんま」さんの名前の由来は、和歌山県にあるさんまさんの実家が、水産加工業(主に「さんま」の加工)をしていたことだそうです。
(鮮魚部・近海物チーム・西)