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2008年4月25日 (金)

「ふぐ(河豚)いろいろ」

とらふぐ、シロサバフグ、ゴマフグ
マフグ、ふぐいろいろ

「ふぐ」と言えば、高級魚「とらふぐ」。 福井県では若狭地方の『養殖』が有名になってきましたが、実は『天然』の「とらふぐ」が獲れているのはご存知でしたか? まさに今、4月に県内全域の定置網で獲れているのです。 鍋シーズンの冬場より安値の取り引きですが・・・ 今回は、これ以外に入荷する「安値」の「ふぐ」について紹介します。
まずは、釣りをする人なら「外道」でお馴染みの「クサフグ」(イソフグ)。 「釣り上がる数は、釣り師の腕に反比例する」と言われ嫌われていますが、筋肉を食べるなら美味。 筋肉以外は有毒。 食べ方は、刺身・鍋・味噌汁・唐揚げ。
見た目は「クサフグ」によく似ていて、東京湾・千葉県外房では、逆に、釣りの対象としているのが「ショウサイフグ」。 筋肉・精巣以外は有毒ですが、個人の責任で食べるのなら身だけが無難。 食べ方は、鍋・味噌汁・刺身・唐揚げ・焼き物・一夜干し。 味付けした天ぷら(長崎風)がお薦め!
定置網で獲れる「シロサバフグ」(ギンフグ)。 このフグだけが無毒。 よくスーパーで見かける製品はこれが多いと思います。 食べ方は、刺身・鍋・味噌汁・唐揚げ・一夜干し。 また、身がやや水っぽいのでムニエルにすると余計な水分がとんで旨味が増し、上品な一皿になります。 お薦め!
福井県の定置網で最も多く獲れる「ゴマフグ」(サバフグ)。 筋肉・精巣以外は有毒。 食べ方は、鍋・味噌汁・唐揚げ・刺身。 このフグは、石川県の郷土料理「卵巣の糠漬け」用として、金沢市中央市場を通じて加工業者に販売されています。 卵巣は1年間塩漬けし、更に2年以上のあいだ糠に漬けることで毒素を消失させる製法です。 このような加工法で食品として製造しているのは、日本全国で、「フグ加工に関する資格免許」を持つ石川県の加工業者だけです。 また、出来上がった糠漬けは、「石川県予防医学協会」による毒性検査を受け、毒素が消失したことを確認した後に出荷されます。
底曳き網で獲れるのが「マフグ」(ナメラフグ)。 筋肉・精巣以外は有毒。 食べ方は、鍋・味噌汁・刺身・唐揚げ・干し物。 石川県の底曳き網で多く捕れ、主に、大阪・山口県下関に出荷されます。
春の彼岸頃によく獲れるところから名前がついたのが「ヒガンフグ」(アカメフグ)。 眼が赤いのが特徴。 筋肉以外は有毒。 水産業界などで密かに最も美味しいとされています。 その身は硬くしまっていて刺身は最高! 他に鍋・味噌汁・唐揚げ・干し物。
他に、フグはまだまだありますが、このくらいで・・・

「ふぐ」に関する注意事項
 ・ ふぐの素人料理はやめよう!
  正しく調理しないと食中毒を起こし、時には死にいたることもあります。
 ・ ふぐ中毒防止のために
  「ふぐ処理登録者」以外の方は、未処理のフグを購入することはできません。
  加工品を調理する場合は、加工者等が判別できないものは使用しないで下さい。
  万一、中毒症状があらわれたときは、すぐに医療機関の受診をうけましょう。

「ふぐ毒」について
ふぐ毒は「テトロドドキシン」といい、肝臓・卵巣等の内臓、皮、筋肉等に含まれ、通常の加熱では壊れません。 純粋なフグ毒の人に対する致死量は0.5~1.0mg程度とみられ 、「青酸カリ」の約1,000倍の強さがあります。
ふぐの毒性は、フグの種類や部位(臓器等)、漁獲海域により大きく異なるほか、

  1. 季節によって、毒力が著しく変化し、無毒の物が有毒になったりします。 
  2. 個体差があり、同じ種類・同時期・同海域で捕れたフグでも、毒の強さには、大きな差が有ります。

最後に、フグの素人による調理は大変危険ですから、絶対にやめましょう!!

(鮮魚部・近海物チーム・西)

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