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2008年6月

2008年6月30日 (月)

「若狭ぐじ」(アカアマダイ)

若狭ぐじ

「越前がに」「若狭ふぐ」と同様に、福井県を代表する海産物である「若狭ぐじ」。正式名称は「アカアマダイ」といいます。名前に「タイ」と付きますが、タイ科とは別のアマダイ科に属しています。

アマダイは体色によって、アカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイの3種類に分けられます。 県内で漁獲されるアマダイは、そのほとんどがアカアマダイです。しかし、その全てが「若狭ぐじ」と名乗ることが出来る訳ではありません。

釣りや延縄(はえなわ)漁で漁獲されたもので、鮮度がよく、姿形が美しく、300g以上の中~大型サイズを福井漁連独自の鮮度管理マニュアルによって徹底管理されたもののみが「若狭ぐじ」と名乗ることができるのです。 こうして厳選された「若狭ぐじ」は魚体を傷つけないよう慎重に取り扱われ、一尾ずつ港の名前と捕獲した船の名前が入った専用ラベルが貼られます。 ちなみに、京都の丹後半島・若狭湾で釣り上げられたものは「京前ぐじ」と呼ばれています。

元々、「若狭ぐじ」とは小浜・若狭地区で漁獲されたアマダイ全てのことを指していました。 小浜では8月の1ヵ月の間だけ刺し網によりアマダイ漁を行います。 結果として、その漁獲量の少なさと美味しさから希少価値を見出していました。 これが本来の「若狭ぐじ」と言う人もいるくらいです。

アマダイは、上品な白身で、江戸時代以前から高級料理の素材として食されてきました。他の魚と比べると脂肪分は少なめですが、味に淡白な甘味があります。 水分が多く身崩れしやすい為お刺身には不向きですが、塩で身を締めたものは、蒸し物・揚げ物・椀物に適しています。 西京漬けや粕漬けにしても非常においしくいただけます。 

代表的な食べ方である「若狭焼き」は、一塩した若狭ぐじを鱗を付けたままじっくり焼き上げたもので、京料理では「若狭焼き」の善し悪しが板前の腕前の目安にされるほど、伝統のある料理方法になります。

アマダイには、蛋白質・ビタミン・ミネラルが多く含まれています。 脂肪分が少なく、肉質が柔らかいため、病院食・離乳食にも最適です。
若干高価なものになりますが、機会があったら是非一度ご賞味ください。
(鮮魚部・大門)

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2008年6月23日 (月)

「バイガイ」

バイガイ

「バイガイ」は北海道南部から九州にかけて、水深200~500メートルに生息しています。 旬の時期は春先から夏にかけてです。 肉はアワビやサザエに比べるとずっと柔らかいものの、こりこりとした適度な歯応えがあり、ほのかな旨みと甘みのあるやや淡白な味です。

福井の市場で流通する「バイガイ」は、主に2種類あります。 貝殻の白い「シロバイ」と、貝殻が赤い「アカバイ」です。

「シロバイ」は「アカバイ」に比べると身が柔らかく、大きいものは刺身、小さいものは煮付けにして食べられます。 対して「アカバイ」は「シロバイ」よりも値段が高く、身もしっかりとしており、大きさを問わず刺身で食べられます。 ただ、「アカバイ」の「唾液腺」には「テトラミン」という毒素があり、唾液腺を食べると酒に酔っ払ったような状態になります。 しかし、スーパーなどで売られている刺身は唾液腺が除去されているので、美味しく食べられます。

「バイガイ」は、磯の香りと酒の風味の相性を活かして「酒蒸し」にしても美味しく食べられます。 また、回転寿司に行くと、必ずといっていいほどある寿司ネタの一つです。 旬のこの時期に「バイガイ」を一皿加えて、磯の香りと旨みに舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
(鮮魚部・岡田)

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2008年6月16日 (月)

「ハマチ」

ハマチ

「ハマチ」は「ブリ」の子供で、体長30~40cmのものを「そう」呼びます。 地方によって呼び名は違いますが、福井では『フクラギ』と呼ぶのが最も一般的ではないでしょうか。

「ハマチ」は回遊性の魚で、春~夏にかけて日本近海を北上するため、福井の定置網では、多く捕れる魚のひとつです。

「ハマチ」は、刺身で食べるのがベストで、ブリより脂が薄く、サッパリしているのが特徴です。 よって、ワサビ醤油だけでなく、ショウガ醤油をつけて食したり、ドレッシングをかけてカルパッチョ風にするなど、「つけダレ」を工夫してみてはいかがでしょうか。
(鮮魚部・刺身物チーム 山田)

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2008年6月13日 (金)

「サワラ・サゴシ」

サワラ・サゴシ

歯が鋭く、肌の色は銀白色、スマ-トな体型に斑点模様。 外見はあまり見慣れない魚ですが、「サワラ」は、西京焼きで有名な、多くの人に知られる魚です。

「サワラ」は、大きくなるにつれて呼び方が変わる「出世魚」で、一般に1.5kg以上のものを「サワラ」、1kg以下(40~50cm程)のものを「サゴシ(東京ではサゴチ)」と呼びます。 地方によってはいろんな呼び方をしますが、石川県方面では、「カジキ」のことを「サワラ」と言うから、面白いですね。 

「サワラ」は、以前は水温の高い瀬戸内海や九州で多くとれたそうですが、近年では三陸や北陸でも、鮮度の良いものが多くとれるようになりました。

「サワラ」は、その体型からか、「狭腹」とも書きます(「サゴシ」は「狭腰」)。 産卵期の春頃から多くとれだすので、春を告げる魚として魚に春で「鰆」と名付けられたようです。 春だけでなく、秋から冬にかけても脂がのり、食べるには良い時期になります。

味噌漬け、照り焼き、塩焼き、タタキ、フライ、酢漬けにして押し寿司にする等、「サワラ」の食べ方はいろいろあります。 鮮度の良いものは刺身が最高に美味しいので、絶対お勧めの逸品です。
(鮮魚部・刺身物チーム・佐々木)

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2008年6月 3日 (火)

「こんなヒラメ見たことありますか?」

ヒラメ

本日、福井市場に、写真のような活きた天然ヒラメが入荷しました。 眼のない側は真っ白で、眼の有る側が、前と後ろできれいに色が分かれています。
カレイやヒラメは、海底の色に合わせて体の色(模様)を変えることができるといいますが、このヒラメは、いったいどうしたというのでしょうか?
結局、このヒラメは、越前松島水族館が引き取ってゆきました。 一般公開されるのかどうかは不明です。 それより、この体色は、ずっとこのままなんでしょうか?
(開発部・村中)

2008年6月 2日 (月)

「まあじ(真鯵)」

まあじ(真鯵)

   
大衆魚の王者と言われている「まあじ」は、5月~7月が「旬」で、日本全国に分布しています。 刺身、たたき、酢の物、塩焼き、唐揚げ、南蛮着け、干物等、色々な料理に使われます。

「まあじ」は、大きさによって7センチまでを「豆あじ」、10センチまでを「小あじ」、20センチ位までを「中あじ」と呼んで区別しています。 独特の「ぜいご」は、鱗(うろこ)の変化したものです。

漁法はまき網が中心で、全国で、年間約30万トンの漁獲があり、島根県と長崎県で全体の50%近くを占めています。 用途は、生鮮が30%、干物が30%、残りの40%が養殖魚の餌となっています。

「まあじ」には、「地付き」と「回遊性」の2種類があります。 「地付き」の「まあじ」は、餌の豊富な沿岸の岩場などに住み着いて回遊しないもので、背が青っぽく、腹は金色に輝いています。 全国的には「関あじ」が有名ですが、「ごんあじ」や「平家あじ」など、ほとんど全国にいます。 「回遊性」の「まあじ」は、背が黒っぽく、腹は白銀色です。

料理方法としては、特に「味噌たたき」をお薦めします。 「今月のおうちごはん」のレシピも参考にして、今が「旬」の「まあじ」を美味しく食べてください。
(鮮魚部・近海物チーム・西川)

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