« 2008年3月 | メイン | 2008年5月 »

2008年4月

2008年4月28日 (月)

「チダイ」

チダイ

「鯛」といえば、皆さんのイメージは、「マダイ」だと思います。春が旬です。
ところが、「鯛」は「タイ」でも、これから秋口にかけて旬を迎える「鯛」に「チダイ」があります。 福井県では、定置網漁、延縄漁、釣りで漁獲されますが、「マダイ」や「キダイ(レンコダイ)」と良く似ており、区別しにくい魚です。
「チダイ」が「マダイ」と違う点は、「全体に色が明るい」、「鰓ぶたのふちが赤い」、「尾ビレの後縁の端が赤い(一様に同じ色)」ことです。 尾ビレの後縁の端が明瞭に黒くなっていたらそれは「マダイ」です。
また、かなり大きくなる「マダイ」と異なり、「チダイ」は、最大でも40cm程にしかなりません。 関東では、その明るい体色のため「ハナダイ(花鯛)」とも呼ばれ、華やかな感じがします。 しかし、オスの成魚の頭部背縁(おでこ)は角ばっているので、「デコダイ」とも呼ばれ、メスとは随分印象が違ってきます。
お薦めの食べ方は、塩焼き・汁物・刺身などで、「マダイ」より身が柔らかいのが特徴です。その他にも高知県(土佐)では「チダイそうめん」という料理があります。 これからの季節にピッタリでは・・・
(鮮魚部・刺身物チーム・山下)

2008年4月25日 (金)

「ふぐ(河豚)いろいろ」

とらふぐ、シロサバフグ、ゴマフグ
マフグ、ふぐいろいろ

「ふぐ」と言えば、高級魚「とらふぐ」。 福井県では若狭地方の『養殖』が有名になってきましたが、実は『天然』の「とらふぐ」が獲れているのはご存知でしたか? まさに今、4月に県内全域の定置網で獲れているのです。 鍋シーズンの冬場より安値の取り引きですが・・・ 今回は、これ以外に入荷する「安値」の「ふぐ」について紹介します。
まずは、釣りをする人なら「外道」でお馴染みの「クサフグ」(イソフグ)。 「釣り上がる数は、釣り師の腕に反比例する」と言われ嫌われていますが、筋肉を食べるなら美味。 筋肉以外は有毒。 食べ方は、刺身・鍋・味噌汁・唐揚げ。
見た目は「クサフグ」によく似ていて、東京湾・千葉県外房では、逆に、釣りの対象としているのが「ショウサイフグ」。 筋肉・精巣以外は有毒ですが、個人の責任で食べるのなら身だけが無難。 食べ方は、鍋・味噌汁・刺身・唐揚げ・焼き物・一夜干し。 味付けした天ぷら(長崎風)がお薦め!
定置網で獲れる「シロサバフグ」(ギンフグ)。 このフグだけが無毒。 よくスーパーで見かける製品はこれが多いと思います。 食べ方は、刺身・鍋・味噌汁・唐揚げ・一夜干し。 また、身がやや水っぽいのでムニエルにすると余計な水分がとんで旨味が増し、上品な一皿になります。 お薦め!
福井県の定置網で最も多く獲れる「ゴマフグ」(サバフグ)。 筋肉・精巣以外は有毒。 食べ方は、鍋・味噌汁・唐揚げ・刺身。 このフグは、石川県の郷土料理「卵巣の糠漬け」用として、金沢市中央市場を通じて加工業者に販売されています。 卵巣は1年間塩漬けし、更に2年以上のあいだ糠に漬けることで毒素を消失させる製法です。 このような加工法で食品として製造しているのは、日本全国で、「フグ加工に関する資格免許」を持つ石川県の加工業者だけです。 また、出来上がった糠漬けは、「石川県予防医学協会」による毒性検査を受け、毒素が消失したことを確認した後に出荷されます。
底曳き網で獲れるのが「マフグ」(ナメラフグ)。 筋肉・精巣以外は有毒。 食べ方は、鍋・味噌汁・刺身・唐揚げ・干し物。 石川県の底曳き網で多く捕れ、主に、大阪・山口県下関に出荷されます。
春の彼岸頃によく獲れるところから名前がついたのが「ヒガンフグ」(アカメフグ)。 眼が赤いのが特徴。 筋肉以外は有毒。 水産業界などで密かに最も美味しいとされています。 その身は硬くしまっていて刺身は最高! 他に鍋・味噌汁・唐揚げ・干し物。
他に、フグはまだまだありますが、このくらいで・・・

「ふぐ」に関する注意事項
 ・ ふぐの素人料理はやめよう!
  正しく調理しないと食中毒を起こし、時には死にいたることもあります。
 ・ ふぐ中毒防止のために
  「ふぐ処理登録者」以外の方は、未処理のフグを購入することはできません。
  加工品を調理する場合は、加工者等が判別できないものは使用しないで下さい。
  万一、中毒症状があらわれたときは、すぐに医療機関の受診をうけましょう。

「ふぐ毒」について
ふぐ毒は「テトロドドキシン」といい、肝臓・卵巣等の内臓、皮、筋肉等に含まれ、通常の加熱では壊れません。 純粋なフグ毒の人に対する致死量は0.5~1.0mg程度とみられ 、「青酸カリ」の約1,000倍の強さがあります。
ふぐの毒性は、フグの種類や部位(臓器等)、漁獲海域により大きく異なるほか、

  1. 季節によって、毒力が著しく変化し、無毒の物が有毒になったりします。 
  2. 個体差があり、同じ種類・同時期・同海域で捕れたフグでも、毒の強さには、大きな差が有ります。

最後に、フグの素人による調理は大変危険ですから、絶対にやめましょう!!

(鮮魚部・近海物チーム・西)

2008年4月14日 (月)

「メジ」

メジ

「メジ」とは、一般的に「本マグロ」の幼魚のことをさします。「キハダマグロ」と区別するために、「本メジ」「黄メジ」と分けて使うこともあります。
「うすい横縞模様」や「かすり模様」が入っているため、関西では「ヨコワ」、伊豆諸島では「カスリ」と呼ばれています。
福井では、4~5月に、それほど多くはありませんが、定置網で漁獲されます。
食べ方としては、やっぱり刺身が最高です。成魚の「本マグロ」のような脂はありませんが、さっぱりとしていて、かすかな酸味が絶妙です。
この時期、江戸っ子は「初ガツオ」を食べることにヤッキになりますが、福井でも地元のメジを競って食する文化ができるといいですね。
(鮮魚部・刺身物チーム・山口&山田)

2008年4月 7日 (月)

「さより」

さより

「さより」の解禁日は、全国各地でさまざまですが、福井では、4月1日に解禁となりました。 福井で「さより」が漁獲されるのは、1年中で春のこの時期しかなく、「さより」を見ると『春だなぁー』という感じになります。
「さより」は、地方によっていろいろな呼び方がありますが、福井では、大型(100gUP)の「さより」は「閂(カンヌキ)」、小型(40g程)の「さより」は「エンピツ」と呼ばれています。 
「さより」の身は、透き通るように美しく、上品で淡白です。 「大型」のものは、刺身や寿司ネタ、昆布〆、塩焼き、酢の物、すまし汁、「小型」のものは干物などにされます。 その他、天ぷらで食べても美味しい魚です。 鮮度落ちが早く、腹から傷んで来るので、腹に黄色いスジが出てくる前に食べてください。
(鮮魚部・近海物チーム・千本)